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小田嶋隆のコラムの向こう側
¥1,980
2022年6月に惜しまれつつ亡くなった小田嶋隆氏の、最後のコラム集。 ファン必携の一冊。 (店主) 著者:小田嶋隆 出版社:ミシマ社 定価:¥1,980(税込) 判型:四六判並製 頁数:256 ページ 発刊:2022年08月31日 ISBN:9784909394705 Cコード:0095 装丁:尾原史和 稀代のコラムニストの遺稿集にして傑作コラム集 「書くことがない」という書き出しの伝説コラム、親友へ捧げる詩、「晩年は誰のものでもない」、自らの病について、など人間オダジマがあふれる作品から、フェミニズム、嫌酒権、ウクライナへの思い…生前最後の一本を含む社会派コラムまで、コロナ下に書かれた18本を厳選。 ●本書編集人・三島邦弘より 本書は、さる2022年6月24日にお亡くなりになった小田嶋隆さんの遺稿コラム集です。遺稿集とはいえ、小田嶋さんの生前より進めていた企画です。5月末、小田嶋さんから電話があり、「医者は、夏を迎えられないかもしれない、とか言ってるんです」と軽やかにおっしゃいました。その際、『小田嶋隆のコラムの切り口』の編集を「とても気に入っており、ああいう編集でもう一冊まとめてほしい」とご希望いただきました。それで急きょ、進めることになりました。6月20日にご自宅へお見舞いにうかがったとき、小田嶋さん自ら、本書のタイトル案を述べられ、その場で、『小田嶋隆のコラムの向こう側』に決まりました。 『小田嶋隆のコラムの切り口』は紙媒体に掲載されたコラムを中心にまとめたのに対し、本書は、全てウェブ媒体(小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」)に載ったもので編集しました。その意味で、『コラムの切り口』の姉妹編のような位置づけの一冊でもあるはずです。 2020 年春のコロナ以降のロングコラム18選を収めた、文字通り、小田嶋さんのラスト・コラム・ ブック。くりかえしくりかえし、楽しんでいただけましたら幸いです。 目次 まえがきに代えて 第1章 コロナと孤独とコラムニスト 第2章 コラムの逆回天 第3章 さらば、酒と友と 第4章 晩年は誰のものでもない 第5章 コラムの向こう側 著者情報 著: 小田嶋隆(オダジマタカシ) 1956年東京赤羽生まれ。幼稚園中退。早稲田大学卒業。一年足らずの食品メーカー営業マンを経て、テクニカルライターの草分けとなる。国内では稀有となったコラムニストの一人。著書に『小田嶋隆のコラム道』『上を向いてアルコール』『小田嶋隆のコラムの切り口』(ミシマ社)、『ポエムに万歳!』(新潮文庫)、『地雷を踏む勇気』(技術評論社)、『東京四次元紀行』(イースト・プレス)など多数。2022年6月24日、病気のため死去。享年65。
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小田嶋隆のコラムの切り口
¥1,650
稀代のコラムニスト小田嶋隆氏によるコラムの書き方第2弾。 TBSラジオ「たまむすび」のコメンテーターとしての活躍も記憶に新しい氏だが、本業のコラムニストとしてはこんな風に考えていたのである。 文章術を学ぶためだけではなく、読み物としても楽しめるシリーズ。 (店主) 著者:小田嶋隆 出版社:ミシマ社 定価:¥1,650(税込) 判型:四六判並製 頁数:200 ページ 発刊:2020年03月20日 ISBN:9784909394323 Cコード:0095 装丁:尾原史和(BOOTLEG) こんなふうにも書けるのか! 枠組みを決めて書く 会話に逃げる 分析を装い、本音をぶち込む オチをつける 長文も短文も、かように 天才コラムニストの技がいかんなく詰まった傑作コラム集。 ブログ、SNSなどの執筆の参考にも… 爆笑必至です。 目次 まえがき 第1章 枠組みの勝利 第2章 分析を装い、本音をぶち込む 第3章 会話に逃げる 第4章 オチに注目! 第5章 裏を見る眼 第6章 長いコラムはかように 第7章 短いコラムはかように あとがき 著者情報 著: 小田嶋隆(オダジマタカシ) 1956年東京赤羽生まれ。幼稚園中退。早稲田大学卒業。一年足らずの食品メーカー営業マンを経て、テクニカルライターの草分けとなる。国内では稀有となったコラムニストの一人。著書に『小田嶋隆のコラム道』『上を向いてアルコール』(以上、ミシマ社)、『ポエムに万歳!』(新潮文庫)、『地雷を踏む勇気』(技術評論社)、『ザ、コラム』(晶文社)など多数。
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小田嶋隆のコラム道
¥1,650
稀代のコラムニスト小田嶋隆氏による、コラムの書き方。 コラムを書いて面白い人は、コラムの書き方を書いても面白いのである。 (店主) 著者:小田嶋隆 出版社:ミシマ社 定価:¥1,650(税込) 判型:四六判:頁数:256 ページ 発刊:2012年05月21日 ISBN:9784903908359 Cコード:0095 装丁:尾原史和(SOUP DESIGN) 内容 足掛け5年、ミシマ社ホームページ及び「ミシマガジン」に掲載された人気連載「コラム道」、ついに書籍化。 深遠かつ実用的、抱腹絶倒間違いなし。天才コラムニスト、本業を初めて語る! 「コラムは、道であって、到達点ではない。だから、コラムを制作する者は、方法でなく、態度を身につけなければならない。」 「(コラムの)書き出しに芸はいらないのである。」 「さよう。コラムは、メモとはまったく別の地点に着地することが多い。」 「「乗れている時は読み直すな」というポイントも、実は、「〆切」によってもたらされる」 ……書き出し、オチ、文体と主語、裏を見る眼…天才コラムニストによる「超絶!文章術」。 内田樹氏との夢の対談も収録。 書店員の方々の声 いやいや「面白い」とはこういう文章のことを言うのでしょう。「日光見ずして結構と言うなかれ」のごとく「『コラム道』を読まずして「面白い」と言うなかれ」です。 (三省堂書店営業本部 内田剛) もし秋元康が『アイドルの作り方』という本を書いたら、インテルの長友が『サイドバック道』という本を書いたら、みんな読むだろう。この『小田嶋隆のコラム道』は、まさにそれ。 (紀伊國屋書店梅田本店 浅山太一) 正しいコラムの書き方指南書、正座して読め!!みたいな本を想像していて押忍!先輩!と正座して読みはじめましたが、なーんだ、おもしろいじゃないですか!先輩!しかもなんかかっこいい。 (ジュンク堂書店仙台ロフト店 佐藤純子) 目次 PART1 第一回 コラム道に至る隘路 第二回 コラムとは何か 第三回 コラムと枠組み 第四回 会話はコラムの逃げ道か 第五回 モチベーションこそ才能なり 第六回 書き出しについてのあれこれ 第七回 結末、結語、落ち、余韻、着地 第八回 コラムにメモはいらない? 第九回 文体と主語(その1) 第十回 文体と主語(その2) 第十一回 推敲について PART2 第十二回 すべては要約からはじまる 第十三回 裏を見る眼 第十四回 長さとコラム 特別対談 小田嶋隆×内田樹 著者情報 著: 小田嶋 隆(オダジマ タカシ) 1956年東京赤羽生まれ。早稲田大学卒業。食品メーカー営業マンを経て、テクニカルライターの草分けとなる。国内では稀有となったコラムニストの一人。著書に『我が心はICにあらず』(光文社文庫)、『人はなぜ学歴にこだわるのか』(知恵の森文庫)、『1984年のビーンボール』『サッカーの上の雲』(以上、駒草出版)、『地雷を踏む勇気』(技術評論社)、『その「正義」があぶない。」(日経BP社)、共著に『9条どうでしょう』(毎日新聞社)、『人生2割がちょうどいい』(講談社)などがある。
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三流のすすめ
¥1,760
かく言う僕も三流書店主であり、三流音楽家であり、三流きのこ愛好家である。 一流でないのはともかく、二流でもなく、三流なのである。 三流はいいぞ。 そして著者の経歴面白すぎる。 (店主) 著者:安田登 出版社:ミシマ社 定価:¥1,760(税込) 判型:四六判並製 頁数:256 ページ 発刊:2021年07月26日 ISBN:9784909394545 Cコード:0095 装丁:寄藤文平・古屋郁美(文平銀座) 三流=多流(いろいろなことができる人)。 □一つに決めない □目標を持たない □天才ではない □ほとんどガマンしない □評価されない …こうした「ない」が、これからは尊ばれる! 古典の知恵と鋭い洞察が導く、今を生きるヒント。 本当は一流をめざすことができないのに、周囲の期待に流されてめざしちゃったりする人もいます。本当は人生を楽しむことが一番得意な人なのに、毎日がとてもつらくなる。そういう人は一流をめざすことはきっぱりやめて、三流にシフトしたほうがいいと私は思います。本書は、そういう方のための本です。――本文より 三流とは、一人ひとりの可能性を最大限に大切にする生き方。 ポストコロナ期の処世術にして希望の書。 目次 序章 三流のすすめ 第1章 これぞ三流! 第2章 螺旋的に生きる 第3章 『鶉衣』に学ぶ三流 第4章 三流の聖典『論語』 第5章 『中庸』は三流の実践書 第6章 『人物志』――才能や資質の見分け方 第7章 道徳・法・術――『人物志』が説く三材 第8章 「国の身体」となりうる三流人 第9章 三流的生き方・実践編 著者情報 著: 安田登(ヤスダノボル) 1956年千葉県銚子市生まれ。能楽師のワキ方として活躍するかたわら、甲骨文字、シュメール語、論語、聖書、短歌、俳句等々、古今東西の「身体知」を駆使し、さまざまな活動を行う。著書に『あわいの力~「心の時代」の次を生きる』、コーヒーと一冊『イナンナの冥界下り』、『すごい論語』(以上、ミシマ社)、『身体感覚で「論語」を読みなおす。』(新潮文庫)、『能~650年続いた仕掛けとは』(新潮新書)、『野の古典』(紀伊國屋書店)、『見えないものを探す旅~旅と能と古典』」(亜紀書房)など多数。
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世界は小さな 祝祭であふれている(新装版)
¥1,980
現在オランダ在住の写真家の著者が、東京在住時とアムステルダム在住時の両方の日常を綴ったエッセイ集。 じつは店主は小野氏と少し交流がありまして、来日の際にもお会いしたことがあるのですが、穏やかながらも力強いかたという印象でした。 世界中を巡った著者が最終的に選んだ地ということもあり、オランダに住みたくなりますよ。 (店主) 著者:小野博 出版社:モ・クシュラ ISBN:9784907300036 Cコード:C0072 定価:¥1,980(税込) 発売日:2016.1.28 判型:四六判変型 仕様:上製、216ページ 装丁:岡本健+ 美大受験、浪人時代、学生生活、社会人生活と、岡山から東京に出てきた小野さんが、生きづらさを抱えながら煩悶した日々の思い出を語るエッセイ。オランダと日本の風景を同じ「希望の地平」で映し出した写真。そして国籍を問わず、さまざまな背景を持つ人々の織り成す日常を肯定し許容することのできるオランダ、アムステルダムという場所の特異性を、あたたかくユーモラスな眼差しで浮かびあがらせた日記の3部構成。生きることの背中を、やさしく押してもらえるような一冊です。 著者プロフィール: おの・ひろし/写真家。1971年岡山県生まれ。2002年からオランダ・アムステルダム在住。多摩美術大学美術学部彫刻科卒業。サンドベルグ・インスティテゥート ファインアート科課程終了。1999年にコニカ写真奨励賞を受賞して50ヶ国を巡り「地球の線」を制作。また2003年「旅――「ここではないどこか」生きるための10のレッスン」(東京国立近代美術館)に出展。2008年 個展「大切なことは小さな声で語られる」(大原美術館)。著作に「ライン・オン・ジ・アース」(エディマン刊)がある。
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表現のたね
¥1,650
SOLD OUT
誰もが知らず知らずのうちに行うアウトプット。 そのための「たね」となる、知らず知らずのうちのインプット。 それらを大切に描いたエッセイ集です。 著者アサダワタル氏の「コミュニティ難民のススメ」も当店にてお取り扱い中です。 https://naratakeya.base.shop/items/67475486 (店主) 著者:アサダワタル 出版社:モ・クシュラ ISBN:9784907300029 定価:¥1,650(税込) 発売日:2012.12.4 判型:四六判変型 仕様:並製、208ページ 装丁:石黒潤(FRASCO) 「表現とはなにか?」「表現とはいったい誰が扱うものなのか?」そんな問いを根幹に持ち続けながら、様々なフィールドで活動をしてきたアサダワタルさん。本書は、すべての人が「表現」に対する当事者性を獲得することを願って書かれました。「記憶」「感覚」「揺らぎ」「フローな日常」という4部構成で、アサダワタルさんの日常の中から紡がれた23篇の物語が綴られています。ぜひ、読者の皆さんの日常の風景や感覚をなぞりながら、読んでみてください。読み終わったあとに、一刻一秒、流れていく日常の中に表現のたねを見つけていただければ嬉しいです。 本書と同じコンセプトで、路地と暮らし社さんより、CDアルバム「歌景、記譜、大和川レコード」も発売中です。 アサダワタル 1979年大阪生まれ。作家、ミュージシャン。 言葉と音楽を駆使して、何気ない暮らしに埋もれる「表現」に光をあてる、自称 “日常編集家”。2002年、バンド「越後屋」のドラマーとしてNOISE McCARTNEY RECORDSよりCDをリリース。2003年以降、サウンドユニット「SjQ」(HEADZ/cubicmusic) のドラム担当と平行して、ソロプロジェクト「大和川レコード」始動。2005年に自主レーベルより1stCD『選び採取れた日常』をリリース。2000年代後半は、地域コミュニティに関わるアートプロジェクトの企画演出や、小学校などを舞台にした音楽ワークショップを実施するなど、より日常生活に根ざした音楽活動に移行する。2010年以降、これらの経験を踏まえて「表現と日常」をテーマにした著作『住み開き』(筑摩書房)『コミュニティ難民のススメ』(木楽舎)などを発表。
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へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々
¥1,650
こんなにもユーモアにあふれる老人ホームが他にあるだろうか。 老後は福岡で暮らしたいくらいだ。 宅老所よりあいのホームページは一度訪れていただきたい。 http://www.yoriainomori.com (店主) 著者:鹿子裕文 出版社:ナナロク社 装画:奥村門土(モンドくん) 装丁:寄藤文平+鈴木千佳子 仕様:四六判 並製 288ページ 発刊:2015年12月 ISBN:978-4-904292-64-8 C0095 ぶっとばせ、貧老! 未来はそんなに暗くない。 「僕たちは、〈老人ホームに入らないで済むための老人ホーム〉を作ります。」 お金も権力もない老人介護施設「よりあい」の人々が、森のような場所に出会い、土地を手に入れ、必死でお金を集めながら特別養護老人ホームづくりに挑む! これは、自分たちの居場所を、自分たちの手で作ろうとした人々の実話です。 『ヨレヨレ』という雑誌をご存知でしょうか? 創刊号の表紙は、まさかの宮崎駿。しかしこの雑誌には、宮崎駿の「み」の字も、ジブリの「ジ」の字も出てきません。描かれているのは、「宅老所よりあい」という福岡の小さな介護施設で実際に起きたドタバタのみ。直販・直取引だけで販売されているにもかかわらず、『ヨレヨレ』は全国の熱狂的な読者に支えられ、累計1万4000部以上の売り上げを叩き出しました(現在は販売終了)。 この雑誌『ヨレヨレ』の企画、取材、撮影、執筆、編集、レイアウト、制作進行、おつかいなどなどを一人で担っているのが、福岡在住の編集者・鹿子裕文(かのこ ひろふみ)さんです。 そんな鹿子さんの初の書き下ろし単行本がついに刊行となりました。 本のタイトルは、『へろへろ』。 サブタイトルは〈雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々〉。 『ヨレヨレ』同様、「宅老所よりあい」を舞台にしながらも、『ヨレヨレ』では描ききれなかったさまざまな物語――雑誌『ヨレヨレ』誕生のいきさつ、貧乏な施設「よりあい」があの手この手で必死でお金を集め、ついに「総額3億2千万円の特別養護老人ホームを建てるまで」の話――が、『へろへろ』ではたっぷりと語られています。 「老い」という誰もが避けることのできない命題を前に、あるときはバカみたいに楽しく、そしてあるときはジーンと胸に迫るかたちで、次から次に、ジェットコースターのようにさまざまな出来事が展開していく怒涛の288ページ! 〔著者プロフィール〕 鹿子裕文(かのこ・ひろふみ) 1965年福岡県生まれ。編集者。早稲田大学社会科学部卒業。ロック雑誌『オンステージ』、『宝島』で編集者として勤務した後、帰郷。『シティ情報ふくおか』編集部を経て、1998年からフリーの編集者として活動中。2013年、「宅老所よりあい」という小さな老人介護施設で起きているドタバタのみを取り上げる雑誌『ヨレヨレ』を一人で創刊(第4号まで発行)。ありえない企画と不思議な誌面が噂を呼ぶようになり、ブックスキューブリックの「売り上げベスト10」で18週連続1、2、3位を独占するという空前絶後の記録を打ち立てる。杉作J太郎が率いる「男の墓場プロダクション」のメンバー。人生でもっとも影響を受けた人物は早川義夫。 宅老所よりあいのホームページ http://www.yoriainomori.com twitterアカウント @yorehen
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おやときどきこども
¥1,760
もう一度、親子として向き合おうと思わせる新たな視点を、しかしそれは「こども」であったときに見ていたはずの視点を思い起こさせてくれるような本ですね。 (店主) 著者:鳥羽和久 (学習塾塾長、書店「とらきつね」店主) 定価:1600円+税 刊行:ナナロク社 仕様:四六変形ソフトカバー 272ページ ISBN:978-4-904292-94-5 C0095 本の紹介と、試し読みを公開しております! https://note.com/nanarokusha/n/n402f6b4085e3 「正しさ」を手放して始める、新しい人間関係を描いた一冊。 福岡で小中高生たち150余名が学ぶ教室「唐人町寺子屋」を開校して20年、数多くの親子と接してきた著者が、現代の親子が抱える多様でリアルな問題を、子どもたちの生き生きとした語りと鋭い考察から描きだします。 えこひいきする先生、子育てに自信のない親、虐待、 言葉で伝わるという思い込み、スマホ依存……。 「正しさ」を手放したところから始まる、新しい人間関係のあり方をリアルな事例とこれまでにない批評でつづる本。 ※本書では多くの書籍や楽曲が紹介されます。その一例です。 朝井リョウ、東浩紀、こだま、千葉雅也、若林正恭、庵野秀明、 マヒトゥ・ザ・ピーポー、米津玄師、槇原敬之、最果タヒ、國分功一郎、植本一子 etc… 【著者プロフィール】 鳥羽和久(とば・かずひさ) 1976年福岡県生まれ。学位は文学修士(日本文学・精神分析)。 大学院在学中に中学生40名を集めて学習塾を開業。 現在は、株式会社寺子屋ネット福岡代表取締役、唐人町寺子屋塾長、 及び単位制高校「航空高校唐人町」校長として、小中高生(150余名)の学習指導に携わる。 教室の1Fには書店「とらきつね」があり、主催する各種イベントの企画や運営、独自商品の開発等を行う。 著書に『親子の手帖』(鳥影社)など。 http://tojinmachiterakoya.com/torakitune.html 【帯文公開!!】 ●東浩紀(批評家、作家) 鳥羽さんに子どもを託した親は恵まれていると、 ひとりの親として思った。 学習塾でこんな対話が可能ならば、 地域の未来は明るい。 ●寺尾紗穂(音楽家、文筆家) 「先生は私に言葉を与えてくれました」 一人の教え子の言葉は、鳥羽さんの教育にかける情熱を伝えるとともに 教師や親、大人たちが、いかに子供の言葉を奪い、 自らも言葉を手放してしまったかを示している。 大切な誰かにきちんと向き合いたいすべての人に薦めたい一冊。
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写訳 春と修羅
¥1,760
詩:宮沢賢治 写真とエッセイ:齋藤陽道 解説:若松英輔 装丁:大原大次郎 仕様:B6判 コデックス装 本文160ページ 発刊:2015年2月 ISBN:978-4-904292-51-8 C0072 「写訳」とされているように齋藤の写真は、 賢治の詩を「画」に翻訳する。 解説しているのではない。だが、齋藤の写真は、 私たちを賢治が感じていた世界に連れて行ってくれる。 ―巻末解説「言葉を写す詩人たち」(批評家・若松英輔)より NHKEテレ「ハートネットTV」で取り上げられるなど、 注目の写真家、齋藤陽道による3冊目の著作は、 詩人・宮沢賢治の詩を写真で翻案した、 これまでにない奇妙で美しい作品集。 彼方の世界の音律を紡いだ 詩人・宮沢賢治の4篇の詩、 「序」「春と修羅」「告別」「眼にて云ふ」。 音の無い世界を生きる写真家・齋藤陽道が、 東北を中心に撮影した78枚の写真群。 言葉の奥に流れている 無限の声に耳をすます、一冊。 〔プロフィール〕 齋藤陽道(さいとう・はるみち) 1983年東京都生まれ。写真家。都立石神井ろう学校卒業。陽ノ道として障害者プロレス団体「ドッグレッグス」所属。 2010年写真新世紀優秀賞(佐内正史選)。2013年ワタリウム美術館にて新鋭写真家として異例の大型個展を開催。近年はMr.Children やクラムボンといったミュージシャン、俳優・窪田正孝との作品など注目を集める。 写真集に『感動』(赤々舎)、『宝箱』(ぴあ)、宮沢賢治の詩を写真で翻訳した『写訳 春と修羅』(小社)がある。 2017年、7年にわたる写真プロジェクト「神話(一年目)」を発表。
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もう一度 倫敦巴里
¥2,420
SOLD OUT
著者:和田誠 出版社:ナナロク社 デザイン協力:大島依提亜 仕様:A5判 上製 カラー多数 176ページ 発刊:2017年1月 ISBN:978-4-904292-71-6 C0095 和田誠、1977年初版の伝説的名著『倫敦巴里』が、 未収録作を加え、『もう一度 倫敦巴里』としてついに復活! 川端康成の『雪国』を、もし植草甚一が、野坂昭如が、星新一が、長新太が、横溝正史が書いたとしたら。(『雪国』文体模写シリーズ) イソップの寓話「兎と亀」をテーマに、もし黒澤明が、山田洋次が、フェリーニが、ヒッチコックが、ゴダールが映画を作ったとしたら。(「兎と亀」シリーズ) ダリ、ゴッホ、ピカソ、シャガール、のらくろ、ニャロメ、鉄人28号、星の王子さま、ねじ式、007、「雪国」……数々の名作が、とんでもないことに!? 谷川俊太郎、丸谷才一、清水ミチコ、堀部篤史(誠光社)の書き下ろしエッセイを収録した特製小冊子付(※丸谷才一さんのエッセイのみ、再録となります)。 ※本書は、1977年8月、話の特集より刊行された『倫敦巴里』に新たに「『雪国』海外篇」「雪国・70年2月号・72年11月号・73年12月号・75年2月号・77年2月号のつづき」を加え、再編集したものです。著者監修のもと、原画がカラーで描かれていた作品は、カラーで掲載しています。 〔プロフィール〕 和田 誠(わだ・まこと) 1936年生まれ。グラフィックデザイナー、イラストレーター。1959年多摩美術大学卒業、ライトパブリシティに入社、1968年よりフリー。1965年雑誌「話の特集」にADとして参加。1968年から4年数カ月「週刊サンケイ」の表紙に似顔絵を描く(AD田中一光)。1977年より「週刊文春」の表紙(絵とデザイン)を担当し、現在に至る。出版した書籍は200冊を超える。1974年講談社出版文化賞(ブックデザイン部門)、1993年講談社エッセイ賞、1994年菊池寛賞、1997年毎日デザイン賞など受賞多数。
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こといづ
¥1,980
著者:高木正勝 出版社:木楽舎 ISBN:9784863241299 Cコード:C0095 定価:¥1,980(税込) 発売日:2018.11.23 なんだこの文章! これはほんとうに人間の生身の男の人が書いた文章なのか? 家や森や草や風が書いたんじゃないのか? すごい人だ。 ―吉本ばなな ピアノを弾くように、歌をうたうように綴られる言葉。 世界がいとおしくなる著者初、待望のエッセイ集。 『こといづ』とは「コトが出づる」という意味の造語です。 丹波篠山の小さな村で暮らす日々の驚きと発見、84歳のハマちゃん、98歳のシヅさん、 昔気質の大工職人スエさんをはじめとする愛すべき村人たちとの交流、映画音楽が できるまでの苦悩と喜び、ソロモン諸島、エチオピアでの旅の話、自然と人間の 限りあるいのちについて……。ピアノを弾くように、歌をうたうように綴られる著者の 言葉を、2012年から現在まで続く雑誌ソトコトの連載から収録。この世界のすべてが いとおしくなる、高木正勝さん初の書籍です。 目次 はじめに 【げんてん】 あたらしいまち なつかしや、わがともよ じなんぼうのよろこび20 てんさい てんさい2 しらいき かんちがい じくうりょこう みみ 【ちいさなむら】 おひっこし たね むくむく ちゃんと、ひとまず ふゆふゆす にじみ ちからのなみ すで ちから 【にねんめ】 ゆびさき ゆうたいりだつ はるなつあくふゆ やみのおくとひかるおくとまじわる ころころこころ はるよこい たにのはまべ ぐるり いまはのきわ なついちばん うたわにゃそんそん 【やまえみ】 やまさきうた おやま うつろい おやまのぴあの ひそかごと ひとつうたえばななつひらいて はなみち にこ すくすくと はなわらう ほっほ 【よはく】 あいらぶゆ やがて あたたかい あらた たぷんたぷん うつわ ひきつぐ いろは マージナリア 【こといづ】 いのち ごくらく やさしいのがよい えいがおんがく ほどいては、あみなおして ふわふわしたかたまり おひいづ あらゆる めぐみ(歌詞と楽譜) おわりに ページ数 260 判型 A5判変形 著者プロフィール 高木正勝(著) 高木正勝(たかぎ・まさかつ) 音楽家/映像作家。1979年生まれ、京都府出身、兵庫県在住。長く親しんでいるピアノで奏でた音楽、世界を旅しながら撮影した“動く絵画“のような映像、両方を手掛ける。細田守監督作『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『未来のミライ』の映画音楽をはじめ、CM音楽などコラボレーションも多数。
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ぼくにはこれしかなかった。
¥1,540
SOLD OUT
著者:早坂大輔 出版社:木楽舎 ISBN:9784863241510 Cコード:C0095 定価:¥1,540(税込) 発売日:2021.3.26 就職するだけが人生ではない-- 40歳を過ぎて本屋を開いた岩手県盛岡市「BOOKNERD」店主が綴る、現在進行中の物語。 書き下ろしのブックレビュー「ぼくの50冊」も所収。 (本文より) ぼくは40歳を過ぎてからこの小さな街に小さな本屋を作った。 誰に笑われてもかまわなかった。 それはぼくの人生で、生きることのすべてだったのだから。 これはぼくの、ぼくだけにしか体験し得なかった物語だ。 そしてその物語はいまもなお続いている。 (編集者より) Instagram上で、ぼくは早坂さんと出会いました。当初は名前も年齢も知りません。ID名・ブローティガンは、2017年の夏の終わりに「会社を辞めるので、これが会社員としての最後のランチだ」とポストしました。それからすぐ。彼はニューヨークに本の買い付け旅に出発しました。 書店でのアルバイト経験ゼロ、出版社にも勤務したことがない、40歳すぎの早坂大輔は、故郷ではない街「盛岡」に独立系の本屋を開業しました。店名は『BOOKNERD』。そう、彼は“本オタク”だったのです。それから2年。ぼくは彼に本を出さないか、と持ち掛けてみました。 それは 「なぜ会社をやめて、本屋をはじめたのか?」 「いまはしあわせなのか?」 「地方都市で商売は成立するのか?」 といった疑問に回答してほしかったからに他なりません。 本書に書かれている彼のドキュメンタリーは、いま、生き方や就職活動で悩んでいる人々の参考になるだろう、と思います。ぜひ、ご覧ください。 目次 ●ぼくにはこれしかなかった 人間らしく生きるということは ぼくにはこれしかなかった ただなんとなく生きてきた 習作のような日々 チーズとたましい ぼくの読書遍歴 小さな街で本屋をはじめた ニューヨーク・ニューヨーク ぼくにはこれしかなかった 不ぞろいで、いびつで、間に合わせのような店、 生きのびる方法をさがして いつに間にか本を作っていた ラプソディ・イン・ブルー テンダーロインのやさしさ 出会いと別れ そして、つよい風が吹いていた オンラインと実店舗 ベイエリア、夏、2019 自由に生きるってどんな気分だろう 子どもと疫病 そして夏はまた過ぎゆく ●ぼくの 50冊 あとがき ページ数:224 判型:B6判並製 装丁:フクナガコウジ 著者プロフィール 早坂大輔(著) 1975年生まれ。サラリーマンを経て、2017年に新刊・古書店「BOOKNERD」を開業。書店経営の傍ら、出版も手がける。主な出版物に、くどうれいん著『わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版』。
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ホロホロチョウのよる 四月と十月文庫 2
¥1,320
著者:ミロコマチコ 出版社:港の人 B6判変型/ソフトカバー/本文128頁/カラー口絵2頁 1,200円(本体価格・税別) 2011年9月刊 ISBN978-4-89629-238-1 C0095 独特なタッチで描く動植物が人気の画家ミロコマチコが綴る抱腹絶倒の書き下ろし画文集。 大阪・東京を中心に活躍する新進気鋭の画家・ミロコマチコの初めての画文集。力強いタッチと独自の色彩で描く動物や植物の数々。こよなく愛するネコの鉄三との、面白くも微笑ましい毎日。本書は、若い世代を中心に人気のミロコマチコが、これまでの創作活動と、大阪と東京を行き来しながら奮闘する日々を綴った爽快エッセイ。近年の作品だけでなく、初期の作品も多数収録。 ■著者 ミロコマチコ 画家・絵本作家。1981年大阪府枚方市生まれ。動植物を主に描き、大阪・東京での個展・グループ展等を中心に活動。2010年に初の絵本「やまのいえで」をカイトプレスより刊行。同年より美術同人誌「四月と十月」の同人となる。2011年「HBファイルコンペvol.21」藤枝リュウジ賞受賞。 ■目次 ホロホロチョウのよる I はじめての個展/褒めながら描く/夜行バスで眠ること/ワニの壁/お下がりの子ども図鑑/どうぶつたち/ブロッコリ II カメ、学校へ行く/ミロコという名前/ぼーっとしない/絵描きの娘/鉄三さん、ありがとう/アフリカゾウ/しろねこのうた III ミロコしんぶんし/展覧会のあれこれ/大きなクジラ/どうぶつ手帳/おにの子どもたち、カミナリダンスでイチ、ニ、サンダー! /絵本が作りたい あとがき
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私の顔は誰も知らない
¥2,420
*特典小冊子付き 著者:インベカヲリ★ 出版社:人々舎 ISBN:9784910553016 Cコード:C0095 定価:¥2,420(税込) 発売日:2022.5.16 ページ数:380 判型:46並製 装丁:吉岡秀典(セプテンバーカウボーイ) ■内容 "なぜ多くの女性は、これほどまでに偽りの姿で生きているのだろう" 膨大な数の女性の「個」に迫りポートレートを撮影してきた写真家の、初エッセイ&インタビュー集。抑圧的な社会構造について、そしてそのなかで生きる女性の、人間の幸福について考える。 『私の顔は誰も知らない』とは、社会に適応することを最優先するあまり、本来のパーソナリティが完全に隠れてしまったかつての私であり、似たような経験を持つ、多くの女性たちを表した言葉だ。(中略)学校教育では異端が排除され、社会に出れば、ルールに適応することを求められる。外から入ってくる価値観に振り回され、偽りの自分でしか生きることができなくなってしまう。自分の発言を黙殺し、まったく違う人間を演じることが当たり前になってしまうのだ。 ーー本文より 写真集『やっぱ月帰るわ、私。』『理想の猫じゃない』(共に赤々舎)、ノンフィクション『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像』(KADOKAWA)など、写真と文筆を横断する作家、インベカヲリ★。両者の仕事に共通するのは、対象の表面をなぞるのではなく、あくまでも「心」を捉えることにある。 こと写真においては、男性用グラビアにありがちな鑑賞的、消費的ではないポートレートが、写真業界および女性から圧倒的な支持を得て、今もなお撮影オファーが絶えない(2018年には第43回伊奈信男賞を、2019年には日本写真協会新人賞をそれぞれ受賞)。その理由は、撮影前に被写体から時間をかけて話を聞きとることで、その人自身の個人的な経験や考え方に焦点を合わせて、存在そのものを浮かび上がらせるからだ。 ただし撮影された写真には、普段とはまったく違う姿が写し出される。それは何故なのか、その落差には一体何が隠されているのか。 本書では、被写体や女性たちへのインタビューと、インべ自身の語りを通して、多くの女性が偽りの姿で生きざるを得ない、歪な社会構造を炙り出し、女性にとっての、ひいては人間にとっての幸福とは何なのかを考える。 このテーマ(偽りの姿)を体現したブックデザイン(セプテンバーカウボーイ/吉岡秀典による)にも注目。ぜひ手にとって確かめてほしい。 "抑圧、世間体、感情労働、そしてジェンダーとフェミニズム。うまく社会適応しているように見えるけれど、本当はしていないし、するつもりもない。たぶん理解されないから言わないだけ。そんな私たちの肖像" ■もくじ はじめに/私の顔は誰も知らない/理想の猫とは?/普通を演じる/コンクリートの上のシロクマ/薬で性格を変える/こうあるべきまともな姿/東京は擬態する場所/何者かになるための買いもの/人間であることを疑う/「自分」とは誰か?/普通の人すぎて驚かれる/蛭子能収になりたい/女子校出身者のパーソナリティ/フェミニズムは避けられない/本当の自分はどこにいる?/写真とフェミニズム/カワイイの基準/見た目だけで惹かれる/人間のねじれ方/健康は人による/うつらうつらを許さない社会/魅惑の「死」/死神とのドタバタ劇/独り言を叫ぶ/欲望に見る一筋の光/つきまとう表現衝動/フリマアプリに人生を学ぶ/モニターの向こう側で/私は正常に生きてます/寸劇コミュニケーション/自信を持つ難しさ/パワースポットでSNS地獄を見る/「怒」が足りない/「素を見せろ」の正体/味覚は信用できるか/自分のことはわからない現象/人類は、皆クズ/引きずられるとは?/続・普通を演じる/理想が飛んでくる/勝手にイニシエーション/「ふあふあa」を辿る/写真を通して「私」になる/初期作品に見る混沌/なぜ女は擬態するのか ■はじめに 「この本に出てくる女性たちは、どんな服装が多いですか?」 タイトルについて悩んでいるとき、打ち合わせの席でブックデザイナーの吉岡秀典さん(セプテンバーカウボーイ)から、そんなことを聞かれた。私は考えるまでもなく、こう答えた。 「普通です。そのときどきで流行っている、女性らしい服。『これを着ておけば普通の人に見られる』とわかっていて、選んでいる人が多いです」 言った後、そんな言葉がスラスラ出てくる自分に驚いた。実際に、何人かの女性たちから聞いた台詞であり、過去の私自身のことでもある。が、あらためて言葉にすると滑稽だ。どうして私たちはこうも、〝普通の人に見られる〞ことを意識してしまうのだろう。 しかし、その答えにインスピレーションを得た吉岡さんは、一見、まっとうなのに、よく見るとズレたり傾いたり予想外の姿を見せるブックデザインを考えてくれた。これこそまさに、本書のテーマといえる。 もちろん服装のことだけを言っているのではない。『私の顔は誰も知らない』とは、社会に適応することを最優先するあまり、本来のパーソナリティが完全に隠れてしまったかつての私であり、似たような経験を持つ、多くの女性たちを現した言葉だ。 ■版元より 本書のテーマは「擬態」です。 【擬態】 ①他のもののようすや姿に似せること。 ②動物が攻撃や自衛のために体の色・形などを周囲の物や動植物に似せること。コノハチョウが枯れ葉に似せて目立たなくしたり、アブが有害なハチに似せて目立つ色をもったりすることなど。 「大辞泉」より 本来「擬態」とは動物や昆虫の生態に使用する言葉ですが、人間界においても(人間の生きる社会にも)、多分にあるのではないか、という(もはや)自明の論理の解題を目指しました。 写真家のインベカヲリ★さんは、この解題を、写真表現で続けてきた作家の一人です。本書では、写真作品の制作過程や表現方法、思考や経験などを、文章に置き換えて解題を目指したエッセイです。 インべさんの写真を初めて見た時の印象と衝撃を忘れることはできません。被写体の女性たちが鋭いカメラ目線でポーズをとり、時には素足でウサギの着ぐるみを着て屋上でタバコを吸い、時には海岸でセーラー服を着て海藻を口にくわえ、時にはヌードで竹藪に佇む。それぞれ映し出された写真には、ちょっとしたユーモアとともに、切実な何かを感じました。さらに、女性をモデルにした写真では、今まで見たことがありませんでした。 インべさんは、撮影をする前に被写体の女性から時間をかけて話を聞いて、仕上がりのイメージを膨らませます。その作業は、本人の表側ではなく内側のさらに奥底へと向かい、(今の時点の←これが重要)その人を形作っているキモを掴むことで結実し、写真の重要なモチーフとなります。この過程を経ることで、いわゆる一般的な「グラビア写真」とは一線を画す作品になるのです。興味深いのは、映し出された写真の本人と、普段の本人とには、大分の落差があることです(ここに本書のテーマがあります)。 1作目の写真集『やっぱ月帰るわ、私』(赤々舎/2013)では、写真のみでの構成でしたが、2作目の写真集『理想の猫じゃない』(赤々舎/2018)では、写真とともにキャプション(被写体とのちょっとしたやり取りや、撮影後日談など)を添えることで、前述のコンセプトを強めるのと同時に、結果的に言葉での説明が加わり、より広い支持を獲得したのでした。 インべさんに本(写真集ではなく文字の本)を一緒に作ることを提案した当初は(2017年くらい?)、私(当時は版元サラリーマン編集者)は、ここまで言語化できてはいませんでした。が、連載時(web連載)に被写体や女性たちとの、ちょっとしたやり取りに焦点を当てて原稿を書いてもらう内に、彼等が日本社会で置かれている構造が浮かび上がってくるのでした。根強い家父長制、クローズドな家庭環境、差別丸出しの学校教育、それらをコピー&ペーストした会社組織、そして、総じて影響を受けざるを得ない、彼等の状況(インべさんが写真に写すのは、この抑圧的な社会に抵抗し自分を解放しようとする彼等の姿なのです)。加えて、インべさん自身のことを書いてもらうと、被写体の女性たちと同じような環境、考え方を持ちながらあがいた写真家以前の話、そして、「写真」を手にして主体を奪還し「自分」を獲得していく姿が淡々と立ち上がりました。 「生きづらさ」という言葉を、特にここ2、3年でしょうか、メディアやSNSなどで目にする機会が増えたように思います。人の数だけあるこの「生きづらさ」を、「発達障害」と診断をして一括りにすることで、個々の問題から遠く離れ、矮小化することで本質から目をそらしているように感じます。狂っているのは、果たして私たちなのか、それとも社会の側なのか。私たちは、今置かれている社会状況の一つひとつを、今一度しっかりと注視する必要があるのではないでしょうか。 目次 はじめに 私の顔は誰も知らない 理想の猫とは? 普通を演じる コンクリートの上のシロクマ 薬で性格を変える こうあるべきまともな姿 東京は擬態する場所 何者かになるための買いもの 人間であることを疑う 「自分」とは誰か? 普通の人すぎて驚かれる 蛭子能収になりたい 女子校出身者のパーソナリティ フェミニズムは避けられない 本当の自分はどこにいる? 写真とフェミニズム カワイイの基準 見た目だけで惹かれる 人間のねじれ方 健康は人による うつらうつらを許さない社会 魅惑の「死」 死神とのドタバタ劇 独り言を叫ぶ 欲望に見る一筋の光 つきまとう表現衝動 フリマアプリに人生を学ぶ モニターの向こう側で 私は正常に生きてます 寸劇コミュニケーション 自信を持つ難しさ パワースポットでSNS地獄を見る 「怒」が足りない 「素を見せろ」の正体 味覚は信用できるか 自分のことはわからない現象 人類は、皆クズ 引きずられるとは? 続・普通を演じる 理想が飛んでくる 勝手にイニシエーション 「ふあふあa」を辿る 写真を通して「私」になる 初期作品に見る混沌 なぜ女は擬態するのか 著者プロフィール インベカヲリ★(著) 1980年、東京都生まれ。写真家。短大卒業後、独学で写真を始める。編集プロダクション、映像制作会社勤務等を経て2006年よりフリーとして活動。13年に出版の写真集『やっぱ月帰るわ、私。』(赤々舎)で第39回木村伊兵衛写真賞最終候補に。18年第43回伊奈信男賞を受賞、19年日本写真協会新人賞受賞。写真集に、『理想の猫じゃない』(赤々舎/2018)、『ふあふあの隙間』(①②③のシリーズ/赤々舎/2018)がある。ノンフィクションライターとしても活動しており、「新潮45」に事件ルポなどを寄稿してきた。著書に『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像』(KADOKAWA/2021)がある。本書は初のエッセイとなる。 装丁者プロフィール 吉岡秀典(セプテンバーカウボーイ) 1976年静岡県生まれ。美術系の専門学校を卒業後、広告系の事務所に勤務。自由度が少ない仕事にどうしても納得できず、もともと夢だった漫画家を目指して実家に戻る。25歳のとき、たまたま雑誌で見た祖父江慎さんの優しそうな姿に感銘を受け、祖父江慎(コズフィッシュ)の門をたたく。10年後の2011年に独立し、現職。手掛けた書籍は星海社新書の装丁デザイン、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)『ビジネスモデル 2.0図鑑』(KADOKAWA)など。
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もうあかんわ日記
¥1,650
SOLD OUT
著者:岸田奈美 出版社:ライツ社 定価 1,650円(本体1,500円+税10%) 判型 四六判並製 頁数 320ページ 発刊 2021年5月31日 ISBN:9784909044303 父は他界 弟はダウン症 母は車いすユーザー、からのコロナ禍に生死をさまよう大手術 間におじいちゃんの葬式が挟まって ついには、おばあちゃんがタイムスリップ ーー残された長女(作家)にすべてのタスクは託された 次々におそいかかる「もうあかんわ」なラインナップ なのにどうして、こんなに面白い文章が出来上がってしまうのか 読んでる側はいったいなんで、こんなに救われてしまうのか!? 【人生は、一人で抱え込めば悲劇だが、人に語って笑わせれば喜劇だ】 3月10日から4月15日までの岸田奈美のnoteに書かれた、泣けて笑える祈りの日々 放った言葉を本人の手で見事に体現した、読後、拍手喝采のエッセイです < 3/10 岸田奈美のnoteより> 現代社会が抱える闇の全部盛りが、かっぱ寿司のすし特急に飛び乗ってやってきた!?!?!?!??! ! チャップリンは「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」と言った。 わたしことナミップリンは「人生は、一人で抱え込めば悲劇だが、人に語って笑わせれば喜劇だ」と言いたい。 悲劇は、他人ごとなら抜群におもしろいのだ。 ユーモアがあれば、絶望に落っこちない。 常々そう思っていたけど、気づいたのは、ユーモアは当事者に向けるものじゃない。 悲劇を喜劇に変えるためのユーモアは、そこにいない聞き手、つまり第三者にしか向けられないものなのだ。 理不尽なこの日々を、こうやって笑い飛ばしてもらえたら、わたしはそれで救われる。 同情も憐憫もほしくない。 やるべきことも全部わかっているので、家に来て手伝ってほしいわけでもない。 ただ、笑ってほしい。 だって、このストレスフルな時間も、心のどこかでわたしは「たしかにしんどいけど、これはこれで、おもしろいよな」って思っているのだ。 そういう明るい自分を、わたしは見失いたくない。 でも、このままやったら、もうあかんわ。 そんなわけで、前置きが長くなりましたが、読者さんにお願いがあります。 今日から母が退院して落ち着くまで、毎日21時に、noteで日記を書きます。 時間のある人は、どうか、読んでいってください。 読んでくれる人がいるだけで、わたしは、語る意味があります。 悲劇をわたしがnoteで書けば書くほど、喜劇になっていきます。 タイトルは「もうあかんわ日記」です。 もうあかんので。あかんくなる前に、助けてください。 【もくじ(一部抜粋)】 ○「もうあかんわ日記」をはじめるので、どうか笑ってやってください ○ プリズンブレイクドッグ ○ 祖父のアルゴリズム葬儀 ○ 他人のためにやることはぜんぶ押しつけ ○ 何色かわからん龍の背に乗って ○ いつも心にクールポコ ○ もしも役所がドーミーインなら ○ 姉弟はそういうふうにできている ○ まだあかんくないわ ○ 退院ドナドナ……ほか 著者情報 岸田 奈美(きしだ なみ) 作家 1991年生まれ、兵庫県神戸市出身、関西学院大学人間福祉学部社会起業学科2014年卒。 在学中に株式会社ミライロの創業メンバーとして加入、10年に渡り広報部長を務めたのち、作家として独立。 世界経済フォーラム(ダボス会議)グローバルシェイパーズ。 Forbes 「30 UNDER 30 JAPAN 2020」選出。 2020年9月初の自著『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(小学館)を発売。
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