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NEON TOUR
¥6,930
これは純度の高いネオン写真集である。 ページをめくって、写真にキャプションも無いことに驚いた。 前作と言えるLITTLE MAN BOOKS刊「NEON NEON」ではネオン製作者やネオンアーティストのインタビューなど、テキストも写真に負けないくらいの重要な位置を占めていた。 ところが本作「NEON TOUR」では、ほぼ文字は無い。 巻末に與那覇潤(よなはじゅん)氏による所感(この與那覇氏による文章が、僕のような辺縁にある者にとっては共感の嵐だったので、ぜひみなさんにも読んでいただきたい)と、各写真のおおまかな撮影地が記されているだけである(「だけ」は言いすぎました。奥付と、表紙にタイトル、著者名も書いてありますね)。 出版社のウェブサイト( https://littlemanbooks.net/ )を見ても、長々とした説明は書かれていないという潔さである。 さて、当店の店主は音楽家でもあるので、デジタル・シンセサイザーもアナログ・シンセサイザーも両方所有している。 両者の違いはいろいろあるが、ひとことで言うならば、アナログに比べてデジタルは”迷いが無い”。 アナログ・シンセサイザーの「不安定」や「不確定」などの要素がデジタルには無いのである。 デジタルはなるほど、たしかに「機能的」ではある。 「良い」か「悪い」かで言ったら「良い」である。 ただおよそ芸術など人間の感性に訴えかけるものについては、”良いものが良いとは限らない”。 このデジタルとアナログに類似した形が、LEDとネオンについてもあるのではないだろうか。 LEDはデザインの自由度が高いし、故障の心配も無い。 「機能的」である。 デジタル・シンセサイザーと同じような迷いの無さを感じる。 「良い」か「悪い」かで言ったら「良い」である。 ただこれも「看板」として利用される時は、人間の感性に訴えかける必要がある。 良いものが良いとは限らないのである。 まあそのようなことを言うと「ネオンは悪い」のような語弊も生まれるので、言い過ぎだったかもしれない。 反省します。 そして、多くを語らないことを良しとした本について、多くを語ってしまったことも反省します。 本書について少々値が張るように感じる向きもあるかとは思いますが、ほぼA4サイズの大きな判型で見る写真は没入感がありますし、LITTLE MAN BOOKSさんの本はどれも装丁が凝っていて、所有すること自体にも喜びを感じられますので、ぜひみなさんお手元へ。 (店主) 写真:中村 治 出版社:LITTLE MAN BOOKS 定価:6,300円+税 判型:280✕210mm 並製本 頁数:296ページ 発売日:2025年1月6日 ISBN:978-4-910023-05-2 C0072 僕たちのなにかが失われる時。 そんな時はいつでも、 ネオンの灯りを頼っていい。 夜の街には、僕たちが紡いできた物語がネオンの灯りとともに保存され、語られるのを待っている。写真家、中村治による、ネオンを巡る旅の記録。 -------- 『「正しさ」には一種類しかないと思い込み、世界のすべてをそれで塗りこめてクリーンにしようとすると、実際には暴力的でギスギスした社会ができあがる。どんなに頭のいいはずの人たちがやっていようと、やっぱりそれはまちがってるんだ。小説のなか、東京タワー脇のプリンスホテルで窓を眺めながら、そう気づかせてくれるのはネオンサインの群れだった。 』 與那覇潤 ------- プロフィール 中村治 1971年生まれ。成蹊大学文学部文化学科卒。中国北京にて語学留学の傍ら、英国の通信社の現地通信員として写真を撮ることから写真家としてのキャリアをスタートする。帰国後、ポートレートを学ぶため写真家、坂田栄一郎に4年間師事。2011年、新宿ニコンサロンにて、福建省の山間部に点在する客家の村とそこに生きる人々を撮影した『HOME』を発表し、2019年に『HOME-Portraits of the Hakka』(LITTLE MAN BOOKS)を上梓。同作で第20回さがみはら写真新人奨励賞を受賞。2021年、今写真集の前作となる『NEON NEON』(LITTLE MAN BOOKS)を上梓。2025年、キヤノンギャラリー銀座/大阪にて写真展『NEON TOUR』開催。 デザイン:大倉真一郎 寄稿:與那覇潤 印刷・製本:藤原印刷株式会社 プリンティングディレクション:花岡秀明
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このきのこ
¥1,760
書肆ならたけ屋店主おおうちもとひろが、満を辞して書く渾身の回文集。 50以上のきのこの名前をひっくり返し、回文として新たな物語を紡ぎました。 回文ひとつひとつにイラストを付けてくれたのは、漫画家のうつろあきこさん。 じつはおおうちがTwitterで「きのこ回文の本を作りたい」と言った際に名乗りをあげてくれたのがうつろさんなのです。 それぞれのきのこについての解説付き。 きのこ回文の森へようこそ! (店主) 文:おおうちもとひろ 絵:うつろあきこ 出版社:LITTLE MAN BOOKS 1,600円+税 150✕150mm 108ページ 上製本 ISBN978-4-910023-04-5 発売日:2023年2月20日 きのこ回文ってなんですか? 世にも稀なる きのこ回文作家が紡ぐ 愉快で奇妙な 54の物語 ひっそり静かな夜の森。抜き足差し足忍び込むと… そこには、きのこ回文の世界がありました。 よく焼けたシイタケ、耐えるツエタケ、奇抜なツバキン…上から読んでも下から読んでも同じ顔。世界を逆さにのぞくとあらわれる不思議の国へようこそ。きのこたちは皆、あなたの到着を心待ちにしていましたよ。楽しい仲間がほとんどですが、中には猛毒のあるやつもまじっていますので、ご用心。あなたが回文の一部になってしまうようであれば、それはそれ、わたしたちは大歓迎です。どうか、言葉の端から端までゆっくりご堪能ください。それでは、よい航海を(ボン・ボヤージュ)! 文 おおうち もとひろ きのこ回文家。サックス吹き。関東きのこの会副会長。 小出版社専門オンライン書店「書肆ならたけ屋」を経営しつつ、日々あらゆる言葉を逆さまにして暮らしている。 「神の子おおうちもとひろ。人、餅、魚お好みか」 (かみのこおおうちもとひろひともちうおおこのみか) 絵 うつろ あきこ 漫画家。ある日タマゴタケを見つけたことから、きのこ愛に目覚める。コミックエッセイ『かわいいきのこ』(イースト・プレス)を刊行。その他の作品に『宇宙屋台へおいでませ』(全2巻/小学館)などがある。 「良く噛みな。うつろ見てみろ。通な味覚よ」 (よくかみなうつろみてみろつうなみかくよ)
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NEON NEON
¥2,970
総ページ数600を超えるボリュームのうち多数を占めるカラーのネオン写真。 夜の街に思い入れのある大人は、いつの間にか心の中にネオンを灯しているはず。 漫画家赤塚不二夫氏の娘赤塚りえ子氏のインタビューとともに、代表的ネオン作品「ニューアカツカ」の写真も。 (店主) ニホンノネオン研究会 編著 中村治 撮影 出版社:LITTLE MAN BOOKS 2,700円+税 / 220×144mm / 608ページ / 並製本 ISBN978-4-910023-03-8 C0072 2021年12月21日発行 東京周辺ネオンガイド 写真集+インタビュー 最強のネオン本、登場です。 -- 今夜、 ネオンを 見に行こう。 東京の夜には、記憶の底には、ネオンが輝いている。 ネオンとは、細長いガラスの管にガスを封入し、そこに電流を流すことによって発光する、そのような照明機材です。従来、享楽や猥雑、夢や欲望の象徴としての役割を担ってきたネオンは、社会や文化の変化とともに消えていこうとしています。2019年から2021年にかけて、私達は東京周辺の街を歩き、ネオンのある風景を撮影してきました。そして、ネオンに関わる仕事をする人たちに、話を聞いて回りました。この本には、こうしたネオンの風景写真と、ネオンに関わる人たちのインタビューが、計608ページに渡って収められています。日が落ちて周囲が暗くなったら、本書のページをめくり、1つのページの上で、いくらかの時間を過ごしてみてください。そして、ネオンを探しに出かけてみてください。きっと、記憶の底で輝くネオンに出会うことができるはずです。それはあなただけのネオン。世界で1つしかないネオンの輝きなのです。 ● INTERVIEW 横山幸宣(アオイネオン) 荻野隆(アオイネオン) はらわたちゅん子 赤塚りえ子(アーティスト) 亀田和美(協和電子株式会社) 酒蔵力(居酒屋) 千原徹也(アートディレクター) 高橋秀信(スマイルネオン) -- プロフィール ニホンノネオン研究会 日本のネオンを取り巻く環境の研究を目的として、2019年に結成。街中で輝くネオンやアートとしてのネオン、人々の心の奥底に輝くネオンの在処を探索し、写真や言葉によって後世に伝えることを意志とする。構成メンバーは流動的で、離散と集合を繰り返している。新規会員は常に募集中。2021年、初の書籍『NEON NEON』を上梓。今後はイベントやオリジナルグッズの制作なども通じて、日本のネオンの振興に貢献していく予定である。 中村治 広島生まれ。成蹊大学文学部卒。『移りゆく時代の変化に於いても、固有の価値を持ち続けるもの』をテーマに作品を撮り続けている。 ロイター通信社北京支局の現地通信員として写真家のキャリアをスタートする。坂田栄一郎に4年間師事。2006年独立以降、東京を拠点としつつ、各地で人物と風景を中心に撮影を続けている。 中国福建省の山間部に点在する客家土楼とそこに暮らす人々を撮影した写真集、『HOME-Portraits of the Hakka』(LITTLE MAN BOOKS 刊)にて、2020年、第39回土門拳賞最終候補、第20回さがみはら写真新人奨励賞受賞。 https://samphoto.jp
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旅のコマんドー [アジア編]
¥1,540
著者がアジアを中心に回った世界各国の経験を「約4コマ」で描く。 トラブルの話も多いのに、何故か旅に出たくなる読後感。 (店主) 著者:たびコマ 出版社:LITTLE MAN BOOKS 1,400円 (+税)/ 148×155mm / 176ページ ISBN978-4-910023-02-1 C0026 2021年5月31日発行 装丁:菊池祐 印刷/製本:シナノ印刷株式会社 きっと、旅に出る。 ネパール、インド、タイ、タジキスタン、中国、チベット…。 寝て、起きて、食べて、また寝て。 旅をしながら生きていく。旅をしながら考える。 海外ふらふら者が描く約4コマ漫画、登場です! -- プロフィール たびコマ 海外生活9年間で、もはや旅が人生。 なるべくお金を節約し世界の隙間をふらふら生きる人。 読み手を選ぶ狂気の旅日記本「タミオー日記」の作者でもある。 空気の薄い場所が好き。 【関連サイト】 http://www.tamioonews.com/ https://www.instagram.com/tamiooonews/ https://www.instagram.com/tabi.koma/
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HOME Portraits of the Hakka
¥4,950
中国漢民族である「客家(はっか)」とその建築物を写した迫力の写真集。 写真家中村治氏の深い視点から撮られた写真は、大判でしっかりした装丁の書籍で見ると圧倒的である。 (店主) 著者:中村 治 Osamu Nakamura 出版社:LITTLE MAN BOOKS 4,500円(+税)/280×260mm/120ページ/上製本 ISBN978-4-910023-00-7 C0072 2019年8月1日発行 装丁:文京図案室 三木俊一 寄稿:田原(詩人、翻訳家) 印刷/製本:株式会社山田写真製版所 プリンティングディレクション:熊倉桂三 中国福建省山間部に住む客家(はっか)と呼ばれる人たちとその住居を撮影した、中村治の1st写真集。黄色い光に包まれながら、「私」と「家」を巡って綴られる記憶と記録。 第20回『さがみはら写真新人奨励賞』受賞 -- 中国福建省山間部に住む客家(はっか)と呼ばれる人たちとその住居を撮影した、中村治の1st写真集。黄色い光に包まれながら、「私」と「家」を巡って綴られる記憶と記録。 故郷を失うことは、自分を失うことなのだろうか。 中国南東の山間部に異様な建物が点在するエリアがある。外界を拒絶するようにそびえる土壁。 一歩足を踏み入れれば、100 部屋はあろうかというほどの猥雑な集合住宅があらわれる。黄河中下流域から戦乱を逃れてきた「客家人」たちのこの住処は、客家土楼と呼ばれ、世界遺産にも登録される歴史的建造物だ。 1700 年もの歴史を刻むこの建築群には、老人の姿が目立つ。 中国の発展は人里はなれたこの山間にとっても他人事ではない。都市部へと出稼ぎに行き、都会の生活に浸った若者たちは、もう客家土楼に戻ってこない。主をなくした住処は中国の成長と反比例するように急速に荒廃しはじめている。 経済の発展には、時に様々な犠牲を伴う。しかし、歴史が年輪に刻まれるように、受け継がれなければならないものもあるはずだ。それこそが、今の自分自身を形づくるものなのだから。 -- プロフィール 広島生まれ。成蹊大学文学部卒業。ロイター通信社北京支局で現地通信員として写真を撮ることからフォトグラファーのキャリアをスタートし、雑誌社カメラマン、鳥居正夫アシスタントを経て、ポートレイト撮影の巨匠坂田栄一郎に5年間師事。2006年独立し、広告雑誌等でポートレートを中心に活動している。
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