〈叢書ビブリオムジカ〉 レヴィ=ストロースと音楽
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昔店主が書店員をしていた頃、同僚とこんな会話をしたことがある。
同僚:「レヴィ=ストロースって、焼肉みたいですよね」
僕:「『ロース』とかが?失礼な。構造主義の大家だぞ!」
同僚:「どんな本を書いてるんですか?」
僕:「『生のものと火を通したもの』とか…」
同僚:「やっぱり焼肉じゃないですか!」
…それはともかく、レヴィ=ストロースがここまで音楽に言及していたとは。
神話と音楽の構造主義的関係やいかに、という書。
(店主)
著者:ジャン=ジャック・ナティエ
訳者:添田里子
出版社:アルテスパブリッシング
定価:本体2500円[税別]
A5判・並製 | 248頁
発売日 : 2013年9月12日
ISBN 978-4-903951-69-0 C1010
ジャンル : 現代思想/音楽
装丁:折田 烈(餅屋デザイン)
音楽という謎が人文科学の進歩の鍵を握っている。
──クロード・レヴィ=ストロース
音楽をみずからの思想のモデルとし、あらゆる神話体系を音楽によって読み解く──
現代最高の知性の最深部にせまる知的冒険の書!
「音楽じたいが人文科学の最後の謎となり、人文科学はそれに突き当たっているので、この謎が人文科学の進歩の鍵を握っているのである」(レヴィ=ストロース『生のものと火を通したもの』より)
構造主義の始祖とされ、現代の人文諸科学に巨大な影響をあたえた人類学者クロード・レヴィ=ストロース(1908-2009)。彼の思想の根底には、世界と音楽の「相同性(ホモロジー)」への確信があった。
音楽記号学の泰斗ナティエが、20世紀最大の知性と音楽との関係を解き明かす!
プロフィール
ジャン=ジャック・ナティエ(Jean-Jaques Nattiez)
1945年、フランス、アミアン生まれ。エクス=アン=プロヴァンス大学で近代文学、一般言語学や記号学を学ぶ。68年、エクスにフランスではじめて記号学の修士課程が開かれ、音楽記号学として言語と音楽の比較を講義。音楽記号学のパイオニアと目されている。
現在、モントリオール大学音楽学部教授。
一般音楽学、音楽記号学、民族音楽学の著書・論文多数。日本語に翻訳されている著書に、『音楽記号学』(春秋社)、『音楽家プルースト』(音楽之友社)、『音楽・研究・人生』(春秋社)。
添田里子(そえだ・さとこ)
昭和女子大学名誉教授
早稲田大学第一文学部フランス文学科卒。パリ第4・ソルボンヌ大学フランス語学科修士取得。早稲田大学大学院文学研究科フランス文学専攻博士課程満期退学。専攻はプルースト。
「『ペレアスとメリザンド』──メーテルランクの修辞法」(『昭和女子大学文化史研究第5号』、2012年)、ジャン・ジャック・ナティエ著『レヴィ=ストロースと音楽』(翻訳、アルテスパブリッシング、2013年)、ジャン・ジャック・ナティエ著『音楽・研究・人生』(翻訳、春秋社、2005年)。
CONTENTS
I 人類学者レヴィ=ストロース
II 音楽家レヴィ=ストロース
III 論争家レヴィ=ストロース
IV さまざまな構造主義
V 構造主義者レヴィ=ストロース
VI レヴィ=ストロースとワーグナー──愛の断念
VII レヴィ=ストロースから《ペレアス》へ
VIII 比較記号学Ⅰ─音楽・神話・言語
IX レヴィ=ストロース対現代音楽家
X 現代音楽家対レヴィ=ストロース──
XI 構造と形式──誤解
XII 論争の影響と後継者
XIII ベリオのオマージュ──思想家・著作家レヴィ=ストロースへ
XIV 比較記号学Ⅱ──物語としての音楽
XV 音楽学者レヴィ=ストロース──ラヴェルの《ボレロ》分析
XVI 音楽は物語を語るか
XVII 神話と音楽の起源神話
XVIII 考え方の起源
XIX 構造主義と呪術
XX 矛盾した道程の失敗と成功
訳者あとがき
参考文献
人名索引
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レビュー
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